二次流通市場の
パイオニアを支える、
理念とデータとヒトの力


株式会社ティンパンアレイ
代表取締役
平野 大輔
Interviewer
臼井 弥生

ファッションの楽しさをすべての人に--。
創業理念を指針に成長を続けてきた同社は今、新しいフェーズへ向かおうとしている。
変化する時代に変わらない想いを体現し続けるための組織づくりと
その背景を支えている組織力調査・データを活用した人材育成について
代表取締役・平野大輔氏に訊いた。

命題は、トップダウンから
全員経営へのシフト
理念を
カタチにするための組織づくり

1999年の入社以来、店長職と統括マネージャーを務めてきた平野氏が現職に就任したのは2014年のこと。社長就任にあたり、それまでのトップダウン経営から全員経営への転換をはかるべく、株式会社ティンパンアレイは5年前からデータを活用した組織づくりと経営人材の育成に取り組んできた。

平野社長
『すべての人にファッションの楽しさを提供したい』という創業社長・高橋の想いから生まれたティンパンアレイは、その想いをカタチにしていくことを指針に成長を続けてきました。しかし私自身、現職を引き継ぐにあたって「理念をカタチにしていく会社として全員経営をしていきたい」という気持ちがあり、世の中の変化とともに事業を発展させていくうえで、データも含めた客観的事実に基づく組織的な経営にシフトしていきたいと考えていました。創業理念はそのままに、世の中の変化とともに会社を大きくしていく。そのためには、働く仲間が持っている力を発揮できる組織でなくてはいけませんし、そこを牽引していくメンバーの力を高めていく必要があると感じています。
臼井社長
私自身、共通の物差しを持ち、共通の数字を基に課題形成をすることで組織力が向上するケースを多く目にしてきました。ここで大切なのは、「定点観測」を続けること。会社を人間に置き換えるならば、現状の可視化=人間ドックのようなものです。「今回よい結果が出たから大丈夫」ではなく、過去と現在の数値を照らし合わせて具体的に何を変えていくのか。情報を出すことが目的ではなく、活用してこそ意味がある。企業経営には欠かせない視点だと感じています。

持続可能な成長のための
人材育成
ビジョンを底上げする
「数値」のチカラ

COALESCENCE(コアレッセンス)の前身システムにあたる組織力分析と人材育成を通じて1994年からティンパンアレイ社のサポートを続けてきたアイ・コミュニケーションズ社。同社社長 臼井氏は、同社の強みを「創業当初から現在まで続く、企業理念に基づく事業展開力と組織全体のビジョン浸透力の高さ」だと語る。

臼井社長
創業理念を基に実際のビジネスを展開し、規模を拡大するなかでもそこを体現し続けていることは尊敬できる点だと思います。そして今、重要なテーマとしてあるのが、「未来のお客さまの期待に応えるための仕組みづくりとそれを司る経営人材の育成」です。特に、会社のスピリットを現場で維持・拡大していける店長や共に経営を担う人材の育成を強化するにあたって、可視化されたデータに基づく課題形成力と思考力を養い、現実の売り上げやビジョンの実現に紐付けていくというプログラムを実施しています。
平野社長
人材育成に通じる取り組みは社内にもあるのですが、「経営人材」となるとまた違った視点が必要になります。現在、経営人材候補に対しては、毎月2回ほどの研修を設け、それを実際のマネジメントにも生かしています。ご指導いただくなかで、現実のデータを基に「我々のビジネスにはどんな価値があるのか、どのような価値を創出したいのか」というところまで考えて運営していく力が大きく向上していると感じています。

数値が示す、感覚と現実のギャップ
「人こそ資産」だからこそ活きる
データの活用

ティンパンアレイ社では現在、四半期ごとに組織力調査を実施、そこから算出されたデータを組織づくりと人材育成に活用している。5年間にわたり続けてきた会社の「定点観測」は、組織の力を向上させる一助としてはもちろん、感覚と現実とのギャップを浮き彫りにするといった点で、平野氏自身の視点にもポジティブな気づきをもたらしているという。

平野社長
以前は、店舗視察を通して組織の状態やチームの姿勢を感覚的に理解していましたが、やはり数値化されることで組織全体の現状がよりリアルに表れます。たとえば、「チームワークが良い」と感じていたのですが、データによると実際は成果を出していくための相互支援力を高める必要があると。そのことが、育成システムの見直しにもつながりました。また、新しい人材が増えることにより組織の多様性が高くなるなかで、私自身の現場でのコミュニケーションを考える際にもデータを活用できるのではないかと感じています。今後も課題と対策や毎月の目標設定に対して、どんな数値の変化があるのかを継続して見ていくことで、組織の力をさらに高めていければと思っています。

理念に基づいた戦略と現場でビジョンを体現出来る人材、
さらに育成プロセスなどがシナジーしあい、ティンパンアレイ社のなかで繋がり始めている。ファッションを通じて、豊かな人生に貢献したい。
設立以来変わらない想いをカタチにしていくための組織づくりと同社の発展はこれからも続いていく。

ファッションを通じて、豊かな人生に貢献したい。
設立以来変わらない想いをカタチにしていくための組織づくりと
同社の発展はこれからも続いていく。


株式会社ティンパンアレイ

デザイナーズブランド専門のユーズドセレクトショップ「RAGTAG(ラグタグ)」、「rt(アールティー)」を運営する株式会社ティンパンアレイ。1985年の設立以来、都内を中心に店舗数を拡大し、1999年には時代に先がけオンラインショップを開設。現在は、全国6都市に17店舗を展開し、2018年からは株式会社ワールドの傘下企業として“リユース品”の概念を覆す革新的なアプローチでファッションの新しい価値を提供し続けている。

設立 1985年9月18日
資本金 9,900万円
所在地 〒141-0031 東京都品川区西五反田7-22-17 TOCビル4F
平野 大輔
株式会社ティンパンアレイ
代表取締役
「ラグタグ」の接客に感動し、1999年にティンパンアレイに入社。千葉店、原宿店などの店長を歴任したのち、関西1号店の心斎橋店の出店プロジェクトに携わる。2013年に全店舗の店舗統括、14年に執行役員を経て、同年6月から現職。

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